photo by Bozzo

【『KEKEとAZU』@両国BEAR】北里義之

4月17日(日)「舞台芸術創作部屋」の看板を掲げた両国BEARにて、KEKE、南阿豆のおふたりが共演した『KEKEとAZU』のマチネ公演を観劇。アトリエの並びには八角部屋があり、日常的に力士の姿を見るような環境で、「創作部屋」のネーミングは気がきいています。日本語が堪能なラング・グレイヒルさんが代表を務められ、インターナショナルな交流が活動の眼目のひとつ。この日、雨はあがったものの、建物に吹きつける強風は残り、公演会場となった二階のアトリエにいると、階下入口のシャッターが風にあおられ、電車の走行音などのSEを圧して建物全体をゆする音をさせ、まるで転がるドラム缶のなかで身体を揉まれるようでした。

セッション感覚で踊られたおふたりのダンスは、最初、対峙する関係を保って会場を時計回りに動き、綱引きするようにまっすぐ手をつないでおたがいの身体を引きあうダンスを経て、最後は、正反対の方向を向きながらセンターに横並びして、両手を後方にあげる鳥の型で締めくくる内容でした。引きあう手が離れた場面で、KEKEさんは後方に手を引かれるパントマイムの形を見せたのに対し、南さんは離れた手の不在を感じながら踊られたのが、おふたりの資質の違いを示していて特に印象的でした。

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